【箱根駅伝】駒大5区の馬場選手が発症した低体温症とは？

毎年、お正月の恒例行事となっている「箱根駅伝」。今年も1月2日に東京－箱根間（５区間、１０７．５キロ）で往路の戦いが繰り広げられましたね。



今年は青山学院大学が５時間２３分５８秒で往路初優勝を飾りました。山登りの５区（２３．２キロ）でエース・神野（かみの）大地（３年）が１時間１６分１５秒の区間新記録で快走し、往路優勝に貢献しました。

神野選手は４５秒差でタスキを受け取ると１位の駒大を猛追。１０．５キロ地点で１位の駒大を抜いてトップに立つとその勢いは最後まで衰えることがなく、余裕のガッツポーズで往路優勝のゴールテープを切りました。

終わってみると、神野選手が出した記録は今回、コースが変更されたとはいえ、”山の神”と称された柏原竜二選手（東洋大学－富士通）が２０１２年にマークした１時間１６分３９秒を上回る好記録で、新たなヒーローの誕生となりました。

前評判通りの大活躍を見せる選手がいる一方で、１区間の走る距離が長い箱根駅伝では急な体調不良により思うような記録を出せずに苦しむ選手もいます。

駒沢大で５区を走った馬場翔大選手（３年）もそんな選手の一人です。

馬場選手を襲った低体温症とは？

駒沢大は今大会の大本命と言われており、１区で主将　の中村匠吾選手（４年）が首位発進すると、良い流れのままタスキをつなぎ、５区の馬場翔大選手へタスキをつなぎます。

馬場選手は１０．５キロ地点で青学大の神野選手に抜かれてしまいますが、その後は何とか２位をキープして走っていました。

このままゴールまで行くかと思われていた２０キロ過ぎ、突然転倒してしまいます。

何とか立ち上がり、走り続けますが、目の焦点が合っていないような感じで普通の状態でないことはすぐに見て取れました。

この時、馬場選手は山の寒さで「低体温症」を発症していたようなんです。

低体温症

低体温症とは恒温動物の深部体温が正常な生体活動の維持に必要な水準を下回った時に生じる様々な症状の総称でヒトでは直腸温が３５℃以下に低下した場合は低体温症と診断される。

馬場選手は芦ノ湖へ向けた山登りで急に寒くなり、身体が動かなくなっていたようなんです。

低体温症は必ずしも冬季や登山など極端な寒冷下でのみ起こるとは限らず、濡れた衣服による気化熱や屋外での泥酔状態といった条件次第では、夏場や日常的な市街地でも起こることがあるそうです。軽度であれば自律神経の働きにより自力で回復するが、重度の場合や自立神経の働きが損なわれている場合は死に至ることもあるそうです。

馬場選手はゴールまでの残り３キロほどをフラフラの状態で何とか走り切りました。ゴール直前でも２度転倒がありましたが、最後は倒れこむようにゴールに飛び込みました。

箱根駅伝はシード権を獲得できなければ、翌年は予選会から勝ち上がらなければ出場できない厳しい大会です。

みんなが必死で繋いできたタスキを自分で途切れさせる訳にはいかないとメンバーもチームの監督も全員がその責任の重さに無理を承知で頑張りすぎてしまうときもあるかもしれません。

命懸けで戦っているのだと思います。

明日は復路の戦いです。大きな事故もなく、大会が無事におわりますように！！

選手の皆さんのご健闘をお祈り申し上げます。